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一般社団法人

日本こども音読協会

こどもの生活環境に「読書」を取り戻す

 1990年から10年ごとに「幼児のいる家庭における童話・昔話の絵本の所有率」を調べた結果、30年前には83%の家庭が所持していた「ももたろう」の絵本が、2020年にはなんと36%にまで低下しているという結果が出ました。(筑波大学 徳田克己教授と水野智美准教授調査)紙の絵本を持たないことで生まれた新たな子育て環境では、スマホなどのデバイスで「読み聞かせ」が行われるのが「令和の子育て」なのかもしれません。


 一定の理解を示された上で、水野准教授は「紙であれば、お話の途中でめくり直してもう一度読み返したりでき、記憶の定着に役立ちますが、電子書籍だと記憶に残りにくい」と指摘しています。併せてモノとしての「絵本」に対する「愛着」も薄れてしまいます。


 またYouTubeなどの動画サイトでお話が労せずして楽しめる社会では「本」とそれに伴う「読書活動」は子どもの生活環境から消えようとしています。「ももたろう」の惨憺たる有様を見れば証明されています。そして、このことは「本を読む」作業を面倒なこと、あるいは不要なことと子どもにみなされる危険性をはらんでいます。


 一方、小学校では「音読」を重視しています。読むことを身につけていない子どもたちにとっては、これは相当の苦行になり、勉強嫌い、強いては学校嫌いになりかねません。


 当協会では、音読を通して、学校教育への対応、さらにその上にある言葉の習得によって子どもたちの「情緒」を育むことを目的に設立されました。

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挨 拶

 この度、一般社団法人日本子ども音読協会を設立、発足致しました。

 小学校の授業は、書の「音読」からスタート致します。まず、国語教科書、その平仮名で書かれた短い文の読み方から指導が始まりますが、教わった音読が普通にできるようにすることが極めて重要です。音読が普通にできないと、授業そのもの、勉強そのものが嫌いになる一因となりかねません。音読が全ての勉強の基礎になるからです。

 この点に着目し、どのこどもにも音読が普通にできる基礎を養ってやりたいと思いが本協会の設立を思い立った次第です。この願いを実現するには、それにふさわしいテキストが不可欠です。

 こどもの為の絵本の歴史は古く長いのですが、漢字仮名交じり文を用いて「音読」学習に特化したこどもの本の制作は恐らく、日本では本書が初めてではないかと思われます。それだけに、本協会の取り組み方には力が入りました。

 家庭教育の低下も話題に上る昨今です。こどもの からの「心の教育」を、「作法」と「言葉」の両面から育むべく、この二つを「声に出して読むこと」つまり「音読」によって打開、向上させて 取り組み始めました。

どうぞ、御期待、御支援の程をよろしくお願い申し上げます。

一般社団法人日本こども音読協会 会長 野口 芳宏

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日本こども音読協会が目指すもの

こどもの読書スキルを向上させる

世界で最も習得が難しい「日本語」その特徴を養老孟司先生によると「音訓読み」と断じています。日本語は同じ漢字で様々な読みと意味を持ちます。外国の人に「悪魔の言語」と呼ばれる言語を、自然に使いこなせるようになるのは、小さい時からそれらの文字に接することが重要です。子どもたちは「読書」によりその言語を習得してきました。私たちは、その環境を守り、子どもたちに「本のある生活」を提供するものです。

子どもの生活習慣を言葉と作法の面から学び情緒を育む〜素読

江戸時代にあった寺子屋で使われていた教本「庭訓往来」は、日常生活に必要な用語や一般常識を教え、基礎教育書あるいは手習書として広く用いられていました。当会でも現代版庭訓往来ともいうべき、必要な言語や日常生活の常識が学べるようにしました。

もしかしたら少し堅い感じを受けるかもしれませんが、いわゆる「ストレス耐性」を身につけ、日本人独特の情緒をしっかり伝承するために「素読」を普及します。


古典に親しむことで情緒を育み、生きた言葉と言葉と知識を蓄える

日本には古代から連綿と連なる文化を有しています。古くは竹取物語から今に伝わる昔話・民話、和歌、俳句や諺など、子どもたちがお手本とする教材が十分すぎるほどに溢れています。それらに親しむことで子どもの言葉と情緒を育てるものです。

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関連する国の方針に対応する4つの活動幼保小連携 架け橋プログラム対応

読書で培う「ストレス耐性」

今の子どもたちの「資質の変容」は、やはり手軽に手に入る情報蓄積されない言葉と知識によって一般に言われる「脳に汗をかく」経験をしていなことにあると言えます。知らないことが自分の努力によってわかった時に感じる喜びを経験していないと、感動する気持ちもどこか不十分なものになります。私たちは適度に負荷を翔ことで「耐性」を養い、併せて緩急を自在に操れる「スイッチ」を子どもたちに身につけることで文部科学省の目指す「小1プロブレムを乗り越える力」を育みたいと考えています。

子どもに最善の利益を〜こども家庭庁

漢字仮名交じり文の本が子どもの言語獲得の

時間と労力を軽減する

子どもにある程度の負荷をかける、これは「ストレス耐性」を獲得するために必要なことですが、無駄な負荷はかけたくはありません。その一番大きな無駄がひらがな分かち書きです。日本の学校では「配当漢字」があり、学年ごとに使える漢字が振り分けられていて、そのため、ひらがなから漢字への覚え直しが必要になります。しかし、読むだけなら子どもたちは漢字を覚えられるのです。このことは、石井式漢字教育の提唱者である石井勲先生が実証しています。

子どもの最善の利益それは幼少期から漢字仮名交じりの表記で名文を声に出して読むことで豊かな言語を身につけることです。当会ではそれを支柱として活動を行っています。

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Alphabet Monogram Letter Initial Logo DX XD D

個別最適化された学びを実現する

デジタルトランスフォーメーション

多様性に対応するためのDX化 

〜恥ずかしさや恐れを感じない学びの提供〜

 塾に来ているにもかかわらず、AIロボットに教えてもらうことを選ぶ子どもがいます。理由を聞いてみると「何回も同じことを先生に聞くと叱られそうだから」「こんなことができないのかと思われるのが恥ずかしい」「周りの友だちに馬鹿にされそうだから」など子どもの多くはこのような不安を抱えています。そんなネガティブな心を持ちながらも、学びたい子どもたちにとって、AIはこの上なく頼りになる先生と言えます。


当会でも、紙の本や先生や親とのコミュニケーションを必須にした上で、子ども自身のアナログ作業を重視しながらも、AIも併用して、子どもの学びに柔軟に対応できるようDX化をしています。

本にデジタル対応シートをつけて

学びを応援します

🔴絵本全体の読み聞かせ  

🟠一文ずつ区切って音読練習(学校と同じ)

🟢漢字で遊ぼう 

🟡ことわざや俳句などの素読練習 

🟣収録曲の伴奏と歌


これらを無料アプリで閲覧できます

また裏面には学びの記録をつけて

モチベーションを高める工夫をしています

(主に家庭用)


未来のために「九歳の壁」に備えよう

 今の学びは未来から考える必要があります。それは先ほども触れましたが、社会が年々歳々変化しているからです。


 子どもたちは、小学校の3〜4年生くらいから塾へ通うようになります。それは学校の勉強が急に難しくなるからです。何故難しくなるのでしょう。考えたことがありますか?

その理由は、学校の授業において、それまで実生活で普段使ったことがない抽象的な言葉や考え方が求められることにあります。ここで体験が少なく言葉の獲得が不十分な子は急に自分が学校の勉強についていけなくなったことに戸惑い、自信を無くしてしまいます。体験といってもそれほど多くの体験ができるわけでありません。だからこそ「読書(物語)を通じた体験」が重要になるのです。

 文部科学省でも「九歳の壁」は問題点として挙げて、注意喚起を促しています。


 英語やプログラミングなど現代のニーズに併せた学習の前にこの「九歳の壁」問題に備える必要があります。これが未来から俯瞰した今の学びのあり方です。当会では、そのために「言葉の学習」を第一義的に考えています。

架け橋プログラム対応図書のご案内

言葉と作法を学ぶ幼児向け教科書

「言葉の乱れは心の乱れ」という言葉があります。言葉の乱れの要因の一つに内言(知っている言葉)の希薄さがあります。豊かな言葉を持ち、それを普段使うことで、心もまた豊かになるものです。日本語には外国語にはない多種多様な表現の言葉があります。それは物語や教えを通して「情緒」へと昇華します。

文部科学省は2023年「小1プロブレム(問題)」に対する方策として、幼保小の連携「架け橋プログラム」をスタートさせました。主に個人の情報の連携のように見えますがおそらくそれだけでは足りません。大切なのは情緒教育です。(岡潔先生「春宵十話」参照)


ここではその言葉と情緒の学びの教材として読本を作成しました。

これは、園指導だけでなくご家庭でも学べるような工夫を凝らした新しい教材となるものです。本と併せて是非ご利用ください。


以下はカナダウォータールー大学の調べた結果です。音読は学びにとってとても重要な要素であることを示しています。

音読読本・基礎編 花のシリーズ

幼児から声に出して読む

日本の心と言葉

昔話1話 作法の言葉 童謡1曲 ことわざ 解字指導 せん遊び を収録

4月

大きな蕪

5月

梟の染物屋

6月

めんどり小麦粒

7月

赤頭巾

8月 

瓶の中のお化け

9月 

あわてんぼ長兵衛

10月 

三枚のお札

11月 

梨売りお爺さん

12月

三つの言葉

1月

三つの願い

2月

蜂の女王

3月

狐とカワウソ

音読読本・定着編 干支のシリーズ

幼児から声に出して読む

日本の心と言葉

昔話1話 作法の言葉 童謡1曲 俳句 解字指導 ひらがなのおけいこを収録

4月

藁と炭とそら豆


5月 

コロコロパンケーキ

6月 

狐とタニシ

8月

ライオンと鼠

9月 

蛙になった牡丹餅

10月 

大きなスイカ

12月

狐と熊

1月

蟹の恩返し

2月

三匹の熊

7月

雛鳥と猫

11月

くわばらくわばら

3月

おんぶお化け

音読読本・発展編 星のシリーズ

幼児から声に出して読む

日本の心と言葉

昔話1話 作法の言葉 童謡1曲 古典 解字指導 ひらがなのおけいこを収録

4月

虹色集め

5月

三匹の子豚

6月 

古屋のもり

7月

ブレーメンの音楽隊

8月 

いたずら狐

9月 

鼠経

10月 

小判となす汁

11月 

豆粒ころころ

12月

あちちぽんぽんふうふう

1月

万里走る午

2月

七匹の子山羊

3月

亀と犬と猫

支援団体のご紹介

言葉と心教育研究所

Block Print Style Sakura

美しい言葉は

美しい心を育てます

優しい心で

正しい言葉を

贈りましょう

美しい言葉は

美しい心を育てます

優しい心で

正しい言葉を

贈りましょう

35年以上にわたり、幼児教育に関する教材・教具をお届けしてきた実績をもとに、少子化の時代において、言葉と心を中心とした幼少期の学びの観点から、新しい園の特徴づくりをお手伝いする団体です。


本協会の運営を兼ねて、野口先生をはじめとして、幼児期から小学校の低学年における学びに尽力されいている先生方の声などを反映して、業務に当たっています。

代表 神戸昌彦

一般社団法人日本こども音読協会

所在地 千葉県船橋市西船二丁目20−10

kanbe8482@gmail.com